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贈与契約書とは?作成する4つのメリットと必要性を解説

梶原 誠一 / 更新:2026-06-24
贈与契約書とは?作成する4つのメリットと必要性を解説
生前贈与をしようと決めたものの、「契約書って本当に要るの?口約束じゃダメなの?」と迷っていませんか。結論を先に言います。贈与は口頭でも成立しますが、書面がない贈与は履行前ならいつでも解除できてしまう(民法550条)。だからこそ、税務調査でも相続トラブルでも、契約書があなたを守ります。
  • 贈与契約は口頭でも成立するが、書面のない贈与は履行前ならいつでも解除できる(民法550条)。
  • 贈与契約書に法定の様式はなく、手書きでもパソコン作成でも有効。
  • 贈与税の基礎控除は年110万円で、超えた分に贈与税がかかる。
  • 不動産の贈与は所有権移転登記が必要で、登録免許税がかかる。
  • 契約書は2通作り、贈与する側・される側がそれぞれ保管するのが基本。

贈与契約書の結論

税務調査で困らない!贈与契約書の失敗しない書き方や注意点
税務調査で困らない!贈与契約書の失敗しない書き方や注意点

贈与契約書は「贈与が確かにあった」と証明する唯一の書面で、税務調査と相続トラブルの両方であなたを守る道具です。

私は相続・贈与の実務に15年以上関わってきました。正直に言うと、契約書を作らずに毎年お金を渡していた家庭が、相続のときに「これは名義預金だ」と税務署に指摘される場面を何度も見てきました。

贈与契約書1枚で防げたはずのトラブルです。だから私は、金額の大小にかかわらず作ることを勧めています。

書面によらない贈与は、履行が終わっていない部分について各当事者が解除できます(民法550条)。これが契約書を残す一番の理由です。

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贈与契約書の作成は自分でもできますが、不動産や高額財産が絡む場合は税理士・司法書士に依頼するのが安全です。

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このセクションは、専門家への相談窓口を案内する枠です。あなたの財産の種類(現金・不動産・株式)によって相談先が変わるので、後半の「プロに依頼すべき場合」も合わせて読んでください。

1.贈与契約書とは?作成する必要性と目的

贈与契約書とは、財産を無償で渡す側と受け取る側の合意を書面にしたものです。

民法549条では、贈与は当事者の一方が財産を無償で与える意思を示し、相手方が受諾することで成立すると定めています。つまり、書面がなくても口頭で契約は成立します。

では、なぜわざわざ書面にするのか。理由は民法550条にあります。書面によらない贈与は、まだ履行していない部分をいつでも解除できてしまうからです。

「あげると言ったけど、やっぱりやめた」が法律上できてしまう。これを防ぐのが契約書の役割です。

2.贈与契約書を作成する4つのメリット

贈与契約書の正しい作り方|税務署に否認されないポイントを相続専門税理士が解説
贈与契約書の正しい作り方|税務署に否認されないポイントを相続専門税理士が解説

贈与契約書の最大のメリットは「贈与があった事実」を客観的に残せることです。

具体的には、相続トラブルの防止、履行の証拠、税務調査対策、不動産登記の円滑化の4つに整理できます。それぞれ次の見出しで掘り下げます。

贈与契約書がもたらす4つのメリット
メリット防げる主なリスク
相続トラブル防止相続人どうしの「もらった・もらってない」争い
履行の証拠履行前の一方的な解除(民法550条)
税務調査対策名義預金とみなされ相続税が課されること
登記の円滑化不動産の名義変更手続きの遅延

2-1.遺産相続トラブルを防止できる

贈与契約書があれば、相続発生後に「これは生前にもらったもの」と他の相続人へ証明できます。

2-1.遺産相続トラブルを防止できる

実務でよくあるのが、親が一人の子だけに現金を渡していたケース。契約書がないと、他のきょうだいから「勝手に持ち出したのでは」と疑われます。

日付と金額が書かれた契約書が1枚あるだけで、この種の言い争いはかなり減ります。

2-2.贈与が履行された証拠になる

贈与契約書は、贈与が実際に行われたことを示す証拠になります。

前述のとおり、書面によらない贈与は履行前なら解除できます(民法550条)。逆に言えば、書面があり、かつ実際にお金が動いていれば、贈与は確定したものとして扱われます。

私が現場で必ず伝えるのは「契約書だけでなく、銀行振込で記録を残してください」ということ。手渡しの現金は証拠が弱いからです。

2-3.贈与税や相続税の税務調査対策になる

自分で作る贈与契約書の書き方
自分で作る贈与契約書の書き方

贈与契約書は、税務調査で「名義預金ではなく正式な贈与だ」と主張する根拠になります。

贈与税の基礎控除は年110万円です。1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計が110万円以下なら、贈与税はかかりません。

ただし、毎年同じ額を機械的に渡していると「最初からまとまった額を渡す約束だった」と見られるリスクがあります。年ごとに契約書を作り、合意の都度の意思を残すことが対策になります。

贈与税の申告期限は、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までです。110万円を超えたら申告が必要です。

2-4.不動産登記(名義変更)がスムーズになる

不動産を贈与する場合、贈与契約書は所有権移転登記の添付書類として実務上欠かせません。

2-4.不動産登記(名義変更)がスムーズになる

不動産の贈与は、権利の移転を公示するために所有権移転登記を行います。この登記には登録免許税がかかり、税率は固定資産税評価額などを基準に計算します。

軽減措置の有無で税率が変わるため、申請前に法務局や最新の法令で確認してください。契約書の記載が曖昧だと、登記でつまずきます。

3.贈与契約書の作成手順

贈与契約書は、内容の確認→合意→2通作成→双方保管という4ステップで作ります。

難しい手続きではありません。下の表に流れをまとめました。

贈与契約書 作成の4ステップ
ステップやること
①確認贈与する側・される側が贈与の内容を確認する
②合意贈与する日付・財産・方法に合意する
③作成同じ内容の契約書を2通作る
④保管双方が1通ずつ保管する

STEP①贈与する側・される側が内容を確認する

【知らないと危険!?】贈与契約書に関してお客さんから頻繁に聞かれる疑問点5選
【知らないと危険!?】贈与契約書に関してお客さんから頻繁に聞かれる疑問点5選

最初のステップは、贈与する人と受け取る人の双方が「何を・いくら・いつ渡すか」を確認することです。

贈与は双方の合意で成立する契約です(民法549条)。受け取る側が知らない、納得していない贈与は成立しません。

特に未成年や高齢の親が関わる場合、本人が内容を理解しているかが後で問われます。ここを口頭だけで済ませない。

STEP②贈与する日付や内容に合意する

次のステップは、贈与の日付・財産の内容・受け渡し方法に具体的に合意し、それを契約書へ落とし込むことです。

STEP②贈与する日付や内容に合意する

日付は「令和7年◯月◯日」のように年月日まで明記します。金額は「金100万円」と単位まで正確に書く。不動産なら登記簿どおりの地番・面積を写します。

私の経験では、ここの数字や住所表記がいい加減だと、登記や申告で必ず差し戻されます。面倒でも正確に。

贈与契約書に法定の様式はありません。手書きでもパソコン作成でも有効ですが、当事者・財産・時期・方法の4点は必ず明記してください。

よくある質問

ここでは、贈与契約書について読者からよく寄せられる質問にまとめて答えます。

よくある質問

贈与契約書とは?
財産を無償で渡す側と受け取る側の合意を書面にしたものです。民法549条により贈与は口頭でも成立しますが、書面がない贈与は履行前ならいつでも解除できる(民法550条)ため、書面に残すことに意味があります。
贈与契約書の費用は?
自分で作れば紙代だけで費用はかかりません。ただし現金贈与でも文書の性質によっては収入印紙(印紙税)が必要になる場合があり、課税文書に該当するかで判断します。不動産贈与では別途、所有権移転登記の登録免許税がかかります。
贈与契約書の始め方は?
まず贈与する側と受け取る側で内容を確認し、日付・財産・方法に合意します。次に同じ契約書を2通作り、双方が1通ずつ保管します。実印を押し、贈与の実態として銀行振込で記録を残すと証拠力が高まります。
未成年の子へ贈与契約書を作れますか?
作れます。ただし未成年者は単独で契約できないため、親権者など法定代理人が代わりに署名・同意します。子が幼児の場合も法定代理人が関与し、本人が内容を認識していなくても代理人が手続きします。
婚姻20年以上の夫婦で使える贈与の特例はありますか?
贈与税の配偶者控除があります。婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産などを贈与する場合、最高2,000万円まで控除できます。適用には要件と申告が必要です。
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梶原 誠一

梶原 誠一

税理士(相続・贈与専門) ・ 相続案件の実務対応歴15年以上

税理士事務所での実務経験をもとに、生前贈与や相続税対策について制度の一次情報と実際の手続きを照らし合わせながら書いています。難解な税制をできるだけ具体的な数字と手順で伝えることを心がけています。

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